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<18>鏡男(かがみおとこ)
松の山家の者は都に訴訟の用があって長い間在京していましたが、訴訟も思い通りになったので郷里に帰ることにしました。
男は妻への土産に都で売られている鏡を購入し、帰りの道中、鏡のいわれや鏡の便利さなどをしゃべりながら、また自分の顔を映しながら歩いていると、やがて自分の家に着きました。妻が出迎えてくれたので訴訟がうまくいったことなどを話し、土産の鏡を渡しました。妻は鏡など見たこともなかったので、鏡に映った自分の姿を夫の浮気相手だと思い込み、鏡を壊そうとします。それなら他の人あげようと男は妻から鏡を取り上げて逃げてゆきます。 |
| (2007.08.03) |
<19>今参り(いままいり)
大名が太郎冠者に新しい召し使いを探してこいと命じます。太郎冠者は上下の街道遥か遠国出身の奉公希望の男を見つけて大名のもとに連れて行きます。
その帰り道、太郎冠者は新参者に「ゆくゆくは名前をもらえるけれど当分は今参りと呼ばれる。まずはじめに『今参り!あれへおりそえ』と言われるから『御座敷を見れば破れ的』と言いなさい」と教えてあげます。これは大名が秀句(シャレ)好きのひとだからその心はと言われたら「居場所がない」と言う意味だと答えます。それから『今参り、あれへこれへ早うおそへ疾(と)うおりそへ』と言われたら『判官殿の思い人』と言いなさい、これは『静』のことだと教えてあげます。
さて大名もとに着いた二人ですが最初のうち破れ的、思い人まではよかったのですが思い人の心を静でなく弁慶と言ってしまったからさあ大変。許してもらうかわりに新参者が着ている烏帽子について問うことがあると大名に言われまた大名の前にやってきます。
しかしこれも失敗してしまい、追い返されそうになりますが新参者が小拍子にあわせて大名の質問に答えていくと大名は機嫌を直して一緒に盛り上がってゆきます。 |
| (2007.08.10) |
<20>千鳥(ちどり)
急にお客さんが来ることになってしまったので、ご主人様は行きつけの酒屋に酒を一樽取って来いと太郎冠者に言いつけます。太郎冠者はツケもたまっているので無理だと断りますが、その酒を一番初めに飲ませてやるというご主人様の言葉につられて酒屋に向かいます。
案の定、酒屋の亭主にはツケを催促されますが、太郎冠者は今日一日分の代金は持って来たから何とか酒を売ってくれと嘘をつきます。その交渉の結果、酒一樽は用意してもらえましたが、酒屋は用心深く、代金と引き換えでないと酒は渡さないと言い出します。
そこで太郎冠者は最近主人と行った津島祭の話をしながら、どさくさにまぎれて酒を持っていこうとします。さてその結果は… |
| (2007.08.24) |
<21>墨塗(すみぬり)
長い間訴訟のために滞在していた大名が、訴訟も思いのままになったので帰国することになり、太郎冠者を連れて京でできた彼女の所へ別れを告げに行きます。
一方的に別れを告げられた女は涙を流して悲しみます。それを見た大名も思わず情が移ってしまい、気持ちが揺らいでしまいます。ところが女はただ水をつけて泣きまねをしているだけだったのです。それに気付いた太郎冠者は大名にそのことを告げますが、大名は信じてくれません。そこで太郎冠者はその水と墨をこっそりすりかえます。
そうとは知らない女は墨を顔につけて泣きまねをします。墨だらけの女の顔を見てやっと我にかえった大名は、何とか女に恥をかかせようと、自分の形見と称して鏡をプレゼントします。その鏡で自分の墨だらけの顔を見た女は…。 |
| (2007.08.31) |
参考文献/金子 直樹 , 吉越 研「狂言鑑賞二百一番」淡交社
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