|
|
<36>居杭(いぐい)
居杭君は日頃かわいがってくれる人に会う度に頭を叩かれるので、清水(きよみず)の観世音(かんぜおん)にお参りに行き願をかけ、不思議な頭巾を手に入れます。
居杭君はこの頭巾の効力を確かめるため、Mいつも頭を叩く人のところに向かいます。すると今回も頭を叩かれるので頭巾をかぶってみると不思議なことが起こります。それは姿が見えなくなるというもの。
居杭君が突然いなくなったのでびっくりしたその人は偶然通りかかった算置き(占い師)に頼んで居杭君の居場所を占ってもらいます。算置きは居杭君の居場所を言い当てますがその度に居杭君は逃げ回るのでなかなか見つかりません。居杭君は姿が見えないことを利用して算置きの算木(占いの道具)を隠したり、日頃頭を叩いてくる人のことを叩いたりして楽しんでいると、やがてふたりはお互いがやっていると思って喧嘩になります。居杭君は喧嘩を止めるため、姿を現すのでした。
※居杭の役は子供がやることがほとんどなので居杭君(いぐいくん)と表記しました。私も子供の頃にやりました。懐かしいなあ。 |
| (2008.1.4) |
<37>神鳴(かみなり)
ある医者が旅をしている途中、雲行きが怪しくなりゴロゴロと雷が鳴り始めました。すると雲の切れ間から大きな神鳴様が落ちてきたではありませんか。神鳴様は腰をひどく打ったのでその医者に治療するように命令します。医者は仕方なく針治療を施したところ、神鳴様は元気になって天に帰ろうとします。医者は治療代を請求しますが神鳴様は持ち合わせがなかったのでこれから800年間、雨風を操って干ばつや水害から守ってあげることを約束して天に帰って行くのでした。 |
| (2008.1.11) |
<38>梟(ふくろう)
弟の太郎は山仕事から帰って以来様子がおかしくなってしまいました。心配になった太郎の兄は日頃お世話になっている山伏に診てもらおうと、山伏に来てもらいました。
山伏が祈り始めると、太郎は「ホッホーン」とおかしな鳴き声をあげたではありませんか。山伏はこれは梟の鳴き声だとピンときて、梟がとりついたものだと判断しました。山伏は梟が嫌がる烏の印(からすのいん)で祈っていると今度は兄にも梟が伝染ってしまいます。兄と弟の両方を祈っているうちにやがて山伏にも…。 |
| (2008.1.18) |
<39>末広かり(すえひろかり)
果報者(リッチな人)は一族の人々を集めてパーティーをやろうと考えます。
いつも上座に座るえらい方々へは末広かりをプレゼントしようと思い、太郎冠者に京に行って末広かりを買って来るように命令します。地紙がよく、骨がよく磨かれていて要がしっかりしていてざれ絵がざっと描かれているものを買って来るように注文をつけると、太郎冠者は急いで京に向かいます。
太郎冠者は京に着くと、末広かりそのものはどのようなものか知らないことに気付きます。大声で「末広かりがほしい」と京を回っていると、そこに京のすっぱ(詐欺師)が現れます。すっぱは太郎冠者を騙そうと、古傘(ふるからかさ)を持ち出して、末広かりだと言って売りつけようとします。太郎冠者は果報者が言っていた注文をすっぱに言うとすっぱは地紙は傘の紙、骨は傘の骨、要は傘の要、ざれ絵は絵ではなく傘の柄のことだとまんまと太郎冠者を騙し古傘を売りつけます。
太郎冠者が帰ろうとすると、すっぱは太郎冠者を引きとめ、御主人様の機嫌が良くなる囃子物(音頭)を教えてあげます。それは「傘(かさ)をさすなる春日山、これも神の誓いとて人が傘をさすなら我も傘をさそうよ、げにもさあり、やようがりもそうよの」というものでした。太郎冠者は早速覚えて帰って行きます。
果報者は太郎冠者が古傘を末広かりと言って差し出すので最初はふざけているのかと思いますが、太郎冠者が真剣に古傘のことを末広かりと言うので騙されたのだとピンときて末広かりは先の広がった扇のことだと教えます。ところが太郎冠者は自分のまちがいを認めようとしないので、果報者は怒って太郎冠者を追い出します。
太郎冠者はご主人様の機嫌がものすごく悪いので京のすっぱに教えてもらった囃子物を今こそ使う時だと思い、屋敷の外で囃しているとやがて果報者も乗ってきて太郎冠者を許し屋敷に入れてあげるのでした。
|
| (2008.1.25) |
参考文献/金子 直樹 , 吉越 研「狂言鑑賞二百一番」淡交社
|
|