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<49>仁王(におう)
ある博打打ち(ギャンブラー)が博打で一文無しになってしまったので、日頃仲良くしている博打仲間の所に相談に行きます。するとその仲間は仁王様の持っている道具があるので、仁王様に化け、お供え物をごっそり持っていく提案をします。
博打打ちは仁王様に成りすまし、その仲間は仁王様が現われたことを近所の人々に知らせに行きます。案の定、大勢の参詣人がやってきてお供え物ががっぽり儲かりました。
その参詣人のひとりが、近所に足の悪い者がいるからこれもお願いしたならいいだろう、とまた大勢で来ることを言って、足の悪いものを呼びに帰ります。博打打ちとその仲間は計画通り儲かったので喜びますが、また来るということなのでまた仁王様になりすまします。
すると先程の参詣人たちは足の悪い者を連れてまたやってきます。足の悪い者は大きなわらじをお供え物として、足が治るようにと仁王様の足をさすりながらお願いしました。博打打ちはくすぐったくなり、動いてしまって参詣人の人達にばれてしまい…。 |
| (2008.4.4) |
<50>菌(くさびら)
このところ屋敷内におばけキノコが出没するので、気味が悪くなった屋敷の住人は知り合いの山伏にキノコ退治の依頼をします。
山伏が屋敷に来てみると、早速おばけキノコが現われます。山伏は行力を持って祈り払いますが、次から次へとおばけキノコが出現し、最後には屋敷中がおばけキノコだらけになってしまい…。
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| (2008.4.11) |
<51>合柿(あわせがき)
今年は柿がよくできたので、京の者達は柿を皆で食べに行くことにしました。すると、上下の街道という人通りの多い大きな街道で柿売りに出会います。
しかし、その柿は見るからに渋そうな柿。それでも柿売りは甘い柿だと言い張るので、柿売りが柿を食べて、その様子を見て甘そうだったら柿の代金を払うという約束をします。
柿売りは言われた通り柿を食べます。ものすごく渋い柿なのですが、代金欲しさに甘いふりをします。
すると京の者達はうそを吹け(口笛をふけ)と言います。と言うのは、渋い柿を食べた者は口笛が吹けなくなるのです。
案の上、柿売りは口笛が吹けませんでしたが、それでも代金を払えと言い張るので京の者達は柿売りを痛めつけて、売り物の柿もひっくり返して帰っていきます。
柿売りは柿も売れず、情けない姿になった自分を謡にして、謡いながらひとり悲しく帰って行くのでした。
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| (2008.4.18) |
<52>酢薑(すはじかみ)
薑売り(しょうが売り)が上下の街道で商売をしているとそこに酢売りがやってきて、お互いに売っている薑と酢の由緒の正しさを言い合います。
それならばと、これから京に上る道中にお互いに秀句(しゃれ)を言って言い勝った方が商売の主導権を握ろうということにしました。
薑売りは生姜の辛さから「から」、酢売りは酢から「す」をかけて言い合いますが結局お互いにうまく言うので勝負がつかず、ふたりで売り物の主導権を持つことにして、大笑いして仲良く歩いて行くのでした。
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| (2008.4.25) |
参考文献/金子 直樹 , 吉越 研「狂言鑑賞二百一番」淡交社
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