|
|
<62>太刀奪(たちうばい)
今日は北野のお手水の会(おちょうずのえ、神前にお手水を献ずる御手洗い(みたらい)祭)なのでご主人様は太郎冠者を連れて出掛けます。その途中、見事な太刀を持った男が通りかかったので、ご主人様がその太刀に興味を示すと太郎冠者は盗んできましょうと提案します。ご主人様はやめるように言いますが太郎冠者はご主人様に刀を借りて行ってしまいます。
男が市場で品物に見入っているすきに太郎冠者は太刀に手を掛けますが、逆に男に太刀で脅されてご主人様の刀を取られてしまいます。情けなくご主人様の元に太郎冠者は帰ってゆきますが今度はふたりで男を取り押さえ刀を取り返そうと考え待ち伏せをします。そこへ男がやってきたのでご主人様は男を後ろから羽交い絞めにして、太郎冠者に縄で縛れと命令します。ところが太郎冠者はその場で縄をない始めるなど段取りが悪く、挙句の果てに縛る時にはご主人様を縛ってしまい結局男にも逃げられてしまうのでした。 |
| (2008.7.4) |
<63>長光(ながみつ)
京に滞在していた田舎者がお土産を買おうと市場で品物に見入っていると、そこにすっぱ(詐欺師)がやってきます。すっぱは田舎者の持っている太刀の下げ緒を一緒に市場を見物しているふりをしながら自分の体に結んでしまいます。そしてすっぱは田舎者にこの太刀は自分の物だと言いがかりをつけふたりで口論している所へ目代(お代官様)が仲裁にやってきます。目代は太刀の持ち主を調べるため太刀の国作(造られた国と作者)や地肌、焼付けの事を尋ねますが田舎者が最初に大きな声で目代に言うのを盗み聞きしてすっぱは答えるので、太刀の寸尺(長さ)を田舎者に耳元で答えさせるとすっぱは答えることができず結局バレてしまい目代と田舎者に追いかけられてすっぱは逃げてゆくのでした。 |
| (2008.7.11) |
<64>しびり
ご主人様は急な来客が決まったので太郎冠者に和泉の堺へお使いに行くように命令すると、太郎冠者は行きたくないので持病のしびり(足がしびれてどうしようもなくなる状態)が出て動けないと仮病を使います。ご主人様はしびりが治るおまじないで太郎冠者の額に塵を付けますが、太郎冠者のしびりは親ゆずりのためおまじないは効かないというので、どうもあやしいと仮病に気付いたご主人様は伯父さんの家にお呼びがかかってご馳走になるのだが太郎冠者はしびりで動けないので次郎冠者を連れて行くと太郎冠者にふっかけると太郎冠者はご馳走になりたいので、このしびりは太郎冠者自身が言い含めるとすぐに良くなるので早速言い含め、治ったと言って飛び跳ねているとそんなに元気になったなら和泉の堺に行って来いとご主人様に言われ、太郎冠者はその和泉の堺という事を聞くとまたしびりが出てしまいますと調子のいい事をいうのでご主人様に叱られてしまうのでした。 |
| (2008.7.18) |
<65>狐塚(きつねづか)
ご主人様は鳥が狐塚の田を荒らすので太郎冠者と次郎冠者に番をするように命令します。ところが狐塚は夜になると悪い狐が出て人を化かすので、気を付けるように念を押し鳥を追うための鳴子(綱の中央にカラカラなるものがついた道具)を持たせふたりを狐塚に向かわせます。
太郎冠者、次郎冠者は狐塚にやってきて早速に鳴子を使って鳥を追い出していましたがだんだんと日も暮れてきたのでご主人様の用意してくれた庵(休み所)で休むことにします。そこへご主人様が二人に差し入れとしてお酒を持ってきたのですが太郎冠者、次郎冠者は狐が化けたものだと疑い、狐の正体を明かそうと松葉を焼いて煙でご主人様をいぶしますが本物のご主人様とわかり叱られて二人は逃げてゆきます。 |
| (2008.7.25) |
参考文献/金子 直樹 , 吉越 研「狂言鑑賞二百一番」淡交社
|
|