<66>首引(くびびき)
鎮西のゆかりの者(為朝)は、訴訟のこと(願い事)が西国の方にあったので西国に下っておりましたが、訴訟も思いのままに叶ったので京に戻ろうと帰っている途中、播磨(はりま)の国、印南野(いなみの)という所まで来た時に空が曇りだし鬼が現われました。鬼は為朝を喰おうととしますが鬼には娘の姫鬼がいるので、姫の喰い初(くいぞめ)をさせようと考え姫鬼を呼び出します。
姫鬼は為朝を喰おうとしますが扇で扇ぐふりをして扇で叩かれたり、咳払いにびっくりさせられたりなかなか喰わせてくれません。すると為朝は姫鬼と勝負をして自分が負けたならば喰われましょうが、もし勝ったならば命を助けてほしいと提案します。鬼はその提案を受け第一ラウンドは腕押し(腕相撲)、第二ラウンドは脛押し(脛相撲)をしますがことごとく為朝が勝ち、第三ラウンドの首引き(首相撲)を始めますが、姫の形勢が悪いので眷属(けんぞく)の鬼(子分の鬼)達を呼び出して加勢させますが為朝はそれらも打ち負かして帰ってゆくのでした。 |